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ウニの天敵は誰で、どのように捕食するのか。

「一冊の本と出会うことは、ときには、ひとりのともだちと出会うくらい重要なことになる。」
といった内容の話をいつかなにかで読んだ事があります。

当時は、「?」でして、
「ひとは時とともに変わり続けるからいつも違う会話が出来るけれど、
本は一度読んだらあとはただの知っている文章内容が印刷されている紙束では?」
と思っていたのです。

本の内容もいつも変わり続ける事に気づけなかった。

そりゃ、活字が動いたりはしません。
しかし、優れた文章は優れているが故に「読み取る」のが難しいですよね。
要するに、そのときは読めているつもりでも全然解ってないことが多々あるのです。
(自分の場合特に多い。)で、次に読んだときにまるで違って見える。

また、文章によっては「内容が伝わる」にはそれなりの年月を「生きて」
エクスペリエンスを経過していないと「情報」としてしか読み取れないものもあります。
小説なんかは情報雑誌ではないので情報として内容を読んでもしてもしかたありません。
まあ、駅なんかのダイアグラムやピクトグラムを情報として読み取り、
行き先への経路がわかったり、信号機やサイレンがわかるというレベルでも、人間って
いろいろ工夫するよなーと思いますが。
いやいや、人間だけじゃないか。海の中なんて凄いもんナー情報の発信の仕方が。

「分かる」、「判る」、「解る」
同じ「わかる」でもずいぶんちがいます。
同じ本でも、読む人が「変われば」内容はかわる。
「変わる」「代わる」「替わる」「換わる」・・・。

それにしても海辺のカフカはおもしろいナー。
4回読んで、毎回全然違い、まだ読めてないところが沢山あるのがわかる。
次はもっと読んだろ。という楽しみの宝庫。

はたしてデビッド・リンチの「ロスト・ハイウェイ」やマシュ・バーニーの「クレマスター」が
ちゃんと読める(観れる)日を迎えられることができるのやら。

「ロスト・ハイウェイ」なんて思考で観るエピソードだけでも伏線だらけで時間軸も
入り組んでいるのに、なんていうか、そういった回路のなかにインスピレーションで
しか伝わらない文脈がサクサクはいっていて、
それが全体のなかで凄く重要な文節になってたりする上に
その遥か彼方に「インランドエンパイア」がこれ以上ないくらいの怪しさで
チカチカ点滅している。

さらに、その最深部には重要な「情報」のアナウンスがあるかもしれない。

どんな観念にもある種のヒエラルキー的構造があるのだから。

はー、たいへーん。たのしー。


ウニの天敵は誰で、どのように捕食するのか。_f0128665_225226.jpg

by aoyamajyuichi | 2008-05-12 22:21